PengDaaa66の気まぐれブログ

時間に余裕があるときに色々なことを書きたいと思います。

日常生活を確率論的視点から眺める

 

大学の図書館で数学セミナーを読んでいて、タイトルに惹かれれて読んだ記事を簡単に紹介したいと思います。興味が湧いた人はオリジナルを読んでいただければ幸いです。

 

『確率にだまされていないか:ギャンブラーの破綻』

森 真 (数学セミナー2012年3月号)

 

 

危機管理の重要性

 

 

さて、いきなりですが、この世の中に想定外ということはあり得るのでしょうか?

 

ここで、ある事象  X が起こる確率を  p とします。すると、このとき事象  X が起こらない確率は余事象の確率となるので  1-p となります。 

 

 n 回目に初めて事象  X が起こる確率を求めてみると、 p(1-p)^{n-1} となります。

 

ん?と思っている人のために具体的に考えてみましょう。

1回目に事象  X が起こる確率は  p

2回目に事象  X が起こる確率は、1回目に事象  X は起こらず、2回目に起こるので求めたい確率は  p(1-p)

 

帰納的に考えていくと、 n 回目に事象  X が起こるとき、 n-1 回目までは事象  X は一度も起こらないので、そこまでの確率は  (1-p)^{n-1} 。そして、 n 回目に事象  X が起こればいいので求めたい確率は  p(1-p)^{n-1} となります。

 

具体的に説明するつもりでしたが、具体的でしたよね?

 

では、いずれ事象  X が起こる確率を求めてみましょう。

 X 回目までに事象  X が起こる確率は、1回目に事象  X が起こる確率から  n 回目に事象  X が起こる確率の和になります。(  \because 互いに排反な事象ですから、確率の足し算で求められます。)

計算すると

 p+p(1-p)+\cdots+p(1-p)^{n-1} = 1-(1-p)^n

となり、 n\to\infty とすれば1に収束します。確率が1ということは事象  X が100%起こることを意味しています。

 

このことから、どんな場面、状況においても最悪の事態は起こり得るということです。

リスクマネジメントの重要性を感じさせられますよね。まぁ、クラシスマネジメントも大切ですが。

 

 

ペテルスブルグのパラドックス

 

コイントスについて考えます。当たり前かもしれませんが、表の出やすさ、裏の出やすさは同じであるとします。(このことを、これらの事象は同様に確からしいと言います。)

表が初めて出るまでに出た裏の回数が  n 回ならば、賞金として  2^n 円のお金が貰えます。10回連続で表が出続ければ、賞金は1,024(  = 2^{10} )円です。20回連続なら1,048,576(  = 2^{20} )円にもなります。

驚くべきことに、このゲームによって獲得できる賞金の期待値は  \infty です。

 

つまり、このゲームに参加すれば億万長者間違いなしです!!

 

 

ここまでの説明を聞けば、誰しもがこのゲームに参加したくなるかもしれません。

では、みなさんに尋ねましょう。

 

参加費用は1回(裏が出てゲームが終了するまで)10,000円だとしたら、参加しますか?

 

 

実際、参加費用が10,000円のこのゲームで利益を得るためには、 2^{13}=8,192 2^{14}=16,384 であることから、14回以上連続で表を出さなくてはなりません。

この話を聞いたら、さっきまでやってみたかった人もやりたくなくなったのではないでしょうか?

 

期待値にだまされて損をしないようにしたいですね。